エコー検査
頸部の腫れは耳鼻咽喉科の守備範囲
耳鼻咽喉科は、耳・鼻・のどの他に、脳、眼、歯を除く頭部と頸部の外科も守備範囲としています。開業医では、手術は限られたことしかできませんが、頭頸部の病気についてしっかり診断して、必要であれば大きな病院に紹介することも、役目の一つです。当院では、診断のために、超音波検査も行なっています。
エコー検査の利点
○超音波検査は痛みや不快感がなく、放射線を用いないため被曝の心配もなく安全な検査です。
○妊婦さんには胎児の発育過程を観察するのにエコーが用いられているように、国内外で安全とされている検査で、妊娠の可能性のある方や、妊婦さんでも検査可能です。
○超音波を発信する方向を変えることで、いろいろな角度から調べることができ、画像がリアルタイムに表示されます。
○比較的短時間で非常に多くの情報を効率・効果的に知ることができ、検診などのスクリーニング検査からより精密な検査まで行うことができます。
当院で行っているエコー検査
1:甲状腺
2:唾液腺(耳下腺/顎下腺)
3:頚部リンパ節
検査内容
○首にゼリーを塗り、プローブ(探触子)を軽く当て上下左右に移動させ観察します。
○検査時間は10分前後です。
検査の注意事項
○食事の制限はありません。
○首のまわりが出しやすい服装でいらしてください。
1:甲状腺エコー検査
苦痛や不快感を感じず簡単に行うことができるため、血液検査とともに甲状腺疾患に対し第一選択肢になることの多い検査です。
甲状腺の大きさや内部の規則(均一)性の確認、腺腫やがんがないかなどの評価を行います。
この検査では
○バセドウ病や慢性甲状腺炎などのびまん性疾患
○腺腫様甲状腺腫や濾胞腺腫、がんなど
2:唾液腺(耳下腺/顎下腺)エコー検査
唾液腺は唾液を産生する器官で耳下腺・顎下腺・舌下腺があります。耳下腺の中には顔面神経という顔の筋肉を動かす神経が通っています。
唾液腺の大きさや内部の規則(均一)性の確認、腫瘤や炎症性病変がないかなぼの評価を行います。
この検査では
○反復性耳下腺炎、自己免疫性唾液腺炎、唾石症などの炎症性疾患
○がま腫などの唾液分泌、吸収障害による粘液嚢胞
○多形腺腫やワルチン腫瘍、唾液腺がんなど
3:頸部リンパ節エコー検査
リンパ節は、リンパ管をつなぐ通常は2~3ミリ程度の豆のような形をした小さな器官で、全身に300~600個配置されています。リンパ液に入り込んだ細菌やウイルス、がん細胞などの異物をせき止めて排除し、外敵から体を守る働きがあります。
リンパ節の大きさや形、内部血流の評価を行います。
この検査では
○反応性リンパ節腫大、リンパ節炎(ウイルス/細菌による)
○悪性リンパ腫
○癌のリンパ節転移